海底の「スパゲッティワーム」に新しい仲間 体の裏の吸盤が手がかり
Terebellosuctoria
体の裏に吸盤のような構造を持つ、新しく立てられた属の名前。
多毛類(たもうるい)
体が節に分かれ、毛のような足を持つ海の虫の仲間。
海山(かいざん)
海底から盛り上がった山のような地形。
何が起きたか
オーストラリア博物館(自然史を調べる博物館)などの研究チームが、豪州周辺の深海にすむ海の虫について、新しい「属」を発表した。属は、種より上の分類単位だ。新しい属の名前は Terebellosuctoria。体の裏側にある、吸盤のような構造が名前の手がかりになった。研究論文では、この属の2種、Terebellosuctoria jimii と Terebellosuctoria keelingensis を含む、7種の新種が記載された。
背景
この虫は、多毛類(体が節に分かれ、わきに毛のような足を持つ海の虫)の仲間だ。長い触手をたくさん持つため、見た目から「スパゲッティワーム」と呼ばれる。やわらかな海底の泥に管を作り、触手で表面の細かな食べ物を集める。近い仲間には陸のミミズがいる。
標本は、2021年と2022年に、研究船 RV Investigator が行った調査で集められた。場所は、オーストラリア領のクリスマス島とココス(キーリング)諸島の近くにある海山だ。海山は、海底から盛り上がる山のような地形である。
なぜ重要か
調査では、850個体を超える海の虫が集まった。同じ資料からは、すでに13種が新種として発表され、今回さらに7種が加わった。新属の2種は、そのうちの一部である。
深海で新種が見つかること自体は珍しくない。しかし、新しい属を設けるのは珍しい。これは、海底の生き物の大きな分類が、今も増えていることを示す。名前を付けることは、ただ呼びやすくするだけではない。標本に正式な身元を与え、別の研究者が同じ生き物を正確に調べる土台になる。
確認できたこと
印象的な標本の一つは、ココス諸島近くの、深さ670メートルを超える海山で採集された。引き上げられた標本には、茶色い枝のようなものが広がり、その間にオレンジ色の球が見えた。最初は、虫の卵のようにも見えた。
しかし、詳しく観察し、切り分けて調べると、枝のようなものは巨大な動物ではなかった。スパゲッティワームが作った管の、複雑な延長部分だった。管からは明るいオレンジ色の虫が現れ、一部は長さ75ミリメートルに達した。
研究チームは、体の形、DNA配列、電子顕微鏡の画像を比べた。その結果、これらは新種というだけでなく、これまで知られていなかった属に入ると判断した。
まだ分からないこと
吸盤のような構造が何をするのかは、まだ確定していない。研究者は、泥が少ない海山の斜面で、体をその場に留めるための適応かもしれないと考えている。ただし、これは標本の特徴から出した仮説で、実際の働きを直接確かめた結果ではない。
次に見る点
今後は、博物館に保存された標本や近い仲間と比べることで、吸盤の形がどの環境で現れるのかを調べられる。今回の調査で集めた資料にも、まだ名前のない生き物が残っている可能性がある。深海の調査は、採集した後の分類にも長い時間がかかる。新しい名前が増えるたび、海底にどんな生き物がいるのかを、より正確に語れるようになる。
参照: オーストラリア博物館の発表、原著論文。
体の裏に小さな吸盤 深海の「スパゲッティワーム」が新しい属に
📰 しっかり版: 海底の「スパゲッティワーム」に新しい仲間 体の裏の吸盤が手がかり
オーストラリア周辺の海山で見つかった虫が、これまで知られていない大きな仲間だと分かりました。
Terebellosuctoria
今回見つかった虫の大きな仲間についた名前。
属(ぞく)
似た生き物をまとめる大きな名前。
海山(かいざん)
海底から盛り上がる山のような地形。
💡 ようするに
- 深い海で、新しい虫の仲間が見つかった。
- 体の裏に、吸盤のような形がある。
- その形が何をするかは、まだ研究中だ。
オーストラリア博物館(生き物を調べる博物館)などの研究者が発見しました。 新しい属の名前は Terebellosuctoria です。 属は、似た生き物をまとめる大きな名前です。
この虫は「スパゲッティワーム」と呼ばれます。 細長い触手がたくさんあるからです。 触手で、海底の小さな食べ物を集めます。 虫は、やわらかい泥に管を作って暮らします。
標本は、2021年と2022年に集められました。 研究船 RV Investigator が海底を調べました。 場所は、オーストラリアの島々の近くです。 海山という、海底の山の斜面でした。
調査では、850匹を超える海の虫が集まりました。 今回の論文は、7種の新種を説明します。 そのうち2種は、新しい属の仲間です。
一つの標本は、深さ670メートルより下で見つかりました。 茶色い枝のようなものが付いていました。 その間には、オレンジ色の球がありました。 最初は、卵かもしれないと思われました。 でも、枝は虫の体ではありませんでした。 虫が作った管の一部でした。
研究者は、吸盤のような形に注目しました。 泥が少ない斜面で、体を支える助けかもしれません。 ただし、これはまだ予想です。 本当に役立つかは、これから確かめます。
新しい名前は、研究の道しるべになります。 同じ生き物を、みんなで正しく調べられるからです。
海の底の虫に、新しい仲間の名前
📰 しっかり版: 海底の「スパゲッティワーム」に新しい仲間 体の裏の吸盤が手がかり
うらに吸盤みたいな形を持つ虫が、深い海で見つかったよ。
Terebellosuctoria
似た海の虫をまとめるためについた新しい名前。
吸盤(きゅうばん)
表面にくっつくための丸い形。
触手(しょくしゅ)
虫が食べ物を探す長い部分。
どんなニュース?
オーストラリア博物館は、生き物を調べる場所です。 そこが、新しい海の虫を知らせました。
この虫は、スパゲッティワームと呼ばれます。 長いひもみたいな触手が、たくさんあります。 触手で、小さな食べ物を探します。 虫は、海底のやわらかい泥に管を作ります。
新しい仲間の名前は、Terebellosuctoriaです。 これは、似た虫をまとめる大きな名前です。 虫の体のうらには、小さな吸盤みたいな形があります。
科学者は、吸盤が虫を支えるかもしれないと考えました。 泥の少ない海底でも、つかまれるかもしれません。 でも、まだ本当か分かりません。
ある虫は、茶色い枝のように見えました。 その枝は、大きな生き物ではありませんでした。 虫が作った管の一部でした。 管から、オレンジ色の虫が出てきました。
海の底には、まだ知らない虫がいます。 科学者は、集めた虫を見て名前を調べます。