🐾 生き物

セメントを焼かず、細菌で砂を固める ETH Zurichの建材研究

約2分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
Sporosarcina pasteurii

この研究で使われた細菌。

バイオセメント

生き物の働きで砂を固める材料。

ストロマトライト

微生物が作った層状の岩。

何が起きたか

スイスのETH Zurichで、研究者のKaren Antorveza Paezさんが、細菌で砂を固める建物の材料を研究している。博士課程の研究では、3Dプリントで形を作る方法と、ロボットで表面を積み上げる方法を試した。ねらいは、細菌の働きとデジタル製造を組み合わせ、建築部材を作ることだ。

砂が固まるしくみ

使うのは、Sporosarcina pasteuriiという細菌などだ。3Dプリント法では、砂、細菌、水をもとにしたゲルを混ぜたバイオインクを印刷する。その形を尿素と塩化カルシウムの浴につけると、細菌の酵素が尿素を分解する。そこで生じた物質とカルシウムが反応し、石灰岩と同じ炭酸カルシウムになる。小さな結晶が砂つぶの間でかみ合い、全体を固める。必要な強さによって、完成まで2〜5日かかる。毎日、新しい浴を用意し、最後に乾かす。乾燥後は細菌は活動しない。

なぜ重要か

従来のセメントは、岩を1000度以上で熱する工程を必要とする。建設に使われる材料の中でも、セメント製造は二酸化炭素排出の大きな原因の一つだ。今回の方法は、少なくともこの固める工程を熱源なし、室温で進められる。だから、低いエネルギーで建築部材を作れる可能性がある。ただし、環境に良いと決まったわけではない。

どこまで確認できたか

研究チームは、日よけや間仕切りに使える外壁部材を作った。もう一つの方法では、ロボットアームが細菌、固める材料、砂を順番に吹きつけ、層を重ねる。自然界のストロマトライトという層状の岩の作られ方がヒントだ。この装置は、2025年のベネチア・ビエンナーレで6か月動き続け、細菌による固化を自動化できることを示した。

まだ分からないこと

現段階のバイオセメントは、コンクリートよりモルタルに近い。荷重を支える構造材として、長く使えるかは分かっていない。砂つぶの大きさや混ぜる割合をどう決めれば、丈夫で安定した材料になるかも研究中だ。さらに、反応の副産物として出るアンモニウムは環境への負担になりうる。処理まで含めて考えなければ、持続可能な材料とは言い切れない。

次に見る点

今後は、強さ、耐久性、大規模化のしやすさを調べる必要がある。アンモニウムを安全に扱う方法と、材料を作る全工程の環境影響も焦点になる。細菌が砂を固められることは、すでに示された。次の勝負は、建築で必要な性能と環境負荷を、同時に管理できるかどうかだ。

参考: ETH Zurichの公式説明、ロボット散布の研究論文。

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細菌が砂をつなぐ 熱を使わない建材の研究

📰 しっかり版: セメントを焼かず、細菌で砂を固める ETH Zurichの建材研究

細菌の力で、砂つぶを固める研究が進んでいます。まだ大きな建物用ではありません。

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ことば
炭酸カルシウム

石灰岩などを作る石の成分。

バイオセメント

細菌の働きで作る固める材料。

アンモニウム

反応の途中で出る、環境に影響しうる物質。

💡 ようするに

  • 細菌が砂つぶの間に小さな石を作る。
  • 3Dプリンターで形を作り、室温で固める。
  • 強さや環境への影響は、まだ調査中だ。

ETH Zurich(スイスの大学)で、Karen Antorveza Paezさん(研究者)がこの材料を調べている。セメントを作るには、岩を1000度以上で熱する。この熱は二酸化炭素を出す大きな原因になる。

3D印刷では、砂と細菌をやわらかい材料に混ぜる。それを印刷して、尿素と塩化カルシウムを含む水にひたす。細菌は尿素を分解する。その働きで、炭酸カルシウムという石ができる。石の結晶が砂つぶの間に入り、砂をつなぐ。

固まるまで2〜5日かかる。乾かすと、細菌はもう働かない。この材料はバイオセメントと呼ばれる。

別の方法では、ロボットアームが砂と細菌などを順番に吹きつける。2025年のベネチア・ビエンナーレでは、装置が6か月動いた。日よけや間仕切りに使える部材も作られた。

ただし、今のバイオセメントはコンクリートの代わりではない。研究者は、モルタルに近い材料だと説明している。荷重を支える強さや、長く安定するかは未確認だ。反応ではアンモニウムも出る。環境への影響と処理方法も調べる必要がある。

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ちいさな細菌が、すなをつなぐ

📰 しっかり版: セメントを焼かず、細菌で砂を固める ETH Zurichの建材研究

砂は、つぶつぶでばらばらです。細菌が、砂をつなげます。

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ことば
ETH Zurich

スイスにある大学。

3Dプリンター

形を少しずつ作る機械。

アンモニウム

作る途中で出る、自然に困ることがある残りもの。

ETH Zurich(スイスの大学)のKaren Antorveza Paezさん(研究者)が、細菌を使う材料を調べています。

細菌は、とても小さな生きものです。砂は、つぶつぶでばらばらです。細菌と砂を、やわらかい材料に入れます。その材料を、3Dプリンターで形にします。

形を特別な水につけます。すると細菌が、小さな石を作ります。石は砂つぶの間にできます。砂つぶは、しっかりつながります。形が固まるまで、2〜5日かかります。乾くと、細菌はもう働きません。

ふつうのセメントは、岩を1000度以上で熱します。この研究では、固めるときに熱を使いません。ロボットのうでも、砂と細菌を重ねられます。ベネチアという町の展覧会で、ロボットは6か月動きました。

でも、まだ大きな建物を支えられるか分かりません。作る途中で、アンモニウムという残りものも出ます。これは自然に困ることがあります。どう片づけるか、研究は続いています。

出典・参考