人類のDNAに隠れていた「幽霊」の祖先、2つの正体不明系統
見つかったのは、化石なき祖先
科学者たちが現代人のDNAを詳しく調べたところ、ネアンデルタール人ともデニソワ人とも一致しない、正体不明の系統に由来する遺伝情報が見つかった。研究チームはこの未知の系統を「ゴースト(幽霊)系統」と呼んでいる。骨や歯といった化石証拠は一切見つかっておらず、存在を裏付けているのはDNAに残された痕跡だけだ。
なぜ「幽霊」なのか
通常、絶滅した人類の系統を知る手がかりは化石そのものから直接DNAを取り出すことだが、今回の2系統についてはそうした遺物が発見されていない。研究チームは現代人のゲノムに残るパターンを統計的に解析し、既知の系統では説明できない遺伝的な"シグネチャー"を検出することで、間接的にその存在を突き止めた。
人類進化史の書き換え
これまで人類の進化は、ネアンデルタール人やデニソワ人との交雑を経て現生人類が形作られてきたという比較的単純な図式で語られることが多かった。しかし今回の発見は、実際にはもっと多くの人類系統が同時期に存在し、互いに交雑を繰り返していたことを示している。研究チームは、私たちの遺伝的な系譜が従来考えられていたよりもずっと複雑に絡み合っていると結論づけている。
祖先はネアンデルタール人だけじゃない?DNAに隠れた「幽霊」の話
私たちの体の中には、まだ名前もついていない大昔の人たちのDNAが残っているらしい。
💡 ようするに
- 私たちのDNAには、ネアンデルタール人やデニソワ人以外の「知らない祖先」の跡が残っている
- その祖先の骨や歯はまだ一つも見つかっていない
- 研究者はDNAのパターンだけからその存在を突き止めた
大昔、地球にはいろいろな種類の人類がいた。ネアンデルタール人やデニソワ人という名前を聞いたことがあるかもしれない。今のわたしたちの祖先は、彼らと出会って赤ちゃんを作ったことがあり、そのため今も体の中に少しだけ彼らのDNAが混ざっている。
今回、科学者たちはさらに調べを進め、ネアンデルタール人でもデニソワ人でもない、もう2つの「知らない系統」のDNAを見つけた。名前がついていないので「ゴースト系統」と呼ばれている。ゴーストというのは幽霊のことだ。骨も歯もかけらすら見つかっていないのに、DNAの中にだけ跡が残っているから、そう呼ばれている。
なぜそんなことが分かるのか。DNAには、遠い祖先が誰だったかのヒントが暗号のように書き込まれている。研究者はコンピューターでたくさんの人のDNAを比べ、ネアンデルタール人やデニソワ人の跡では説明できない部分を見つけ出した。その"説明できない部分"こそが、まだ骨も見つかっていない別の人類がいた証拠なのだ。
このことから分かるのは、大昔の地球にはわたしたちが思っていたよりずっとたくさんの種類の人類がいて、あちこちで出会い、混ざり合っていたということだ。
体の中に、しらない祖先がかくれてるの
むかしむかし、なまえのない人たちがいたんだって。
むかし、地球にはいろんな人がいたよ。 ネアンデルタール人という人もいた。 でも、今日はもっとふしぎな話。
きみの体の中に、DNAというものがある。 DNAは、体をつくる せつめい書みたいなもの。
その中に、だれだかわからない人の あとが見つかったの。 その人の ほねは 一つも 見つかってない。 でも、DNAの中に あとだけ のこってる。
だから はかせたちは「ゆうれいの ご先ぞ」って よんでるんだ。 すがたは 見えないけど、たしかに いたみたい。
むかしの 地球には、いろんな 人が いたんだね。 みんな であって、なかよく なって、まざりあったんだって。