🐾 生き物

湖畔の小さな乳歯が示した、30万年以上前の北ドイツとマカク

約2分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
乳臼歯(にゅうきゅうし)

子どもの時期に使い、あとで生え替わる奥歯。

バーバリーマカク(ばーばりーまかく)

北アフリカとジブラルタルに知られるマカク。

更新世(こうしんせい)

古い地球の時代を表す名前。

何が起きたか

ドイツ北部、ニーダーザクセン州のシェーニンゲン遺跡で、古い歯が調べ直されました。歯は2004年の発掘で、湖岸の堆積物から見つかっていたものです。ほぼ完全に残り、長さは1センチ未満でした。研究者は、これを約1歳のマカクの乳臼歯と判断しました。この個体は30万年以上前に生きていたとされます。そのため、この歯はヨーロッパ大陸で最も北にあるマカクの証拠になりました。Phys.orgの研究紹介

どんな動物だったのか

歯は、現在のバーバリーマカクにとても近い種類のものです。研究論文では、種を完全に断定しない表記として Macaca cf. sylvanus が使われています。バーバリーマカクは、いま北アフリカに生きる唯一のマカクです。ヨーロッパの南端にあるジブラルタルにもいます。他のマカクは、現在はアジアに分布しています。

一方、更新世には、マカクの分布はもっと広かったようです。スペイン、イタリア、ギリシャから、ドイツやイングランドまで化石が見つかっています。研究資料は、マカク属が約1600万年前に、おそらく北アフリカで進化を始めたことも示しています。バーバリーマカクはその後、地中海周辺からさらに北へ広がり、現在のオランダやドイツにも達していました。

なぜ重要か

シェーニンゲンは、現在のマカクの最北の分布域より約1800キロ北にあります。この距離は、古い動物の地図を考えるうえで大きな意味を持ちます。今回の発見は、マカクが南ヨーロッパにいたというだけではありません。幼い個体が、ドイツ北部に実際にいたことを示します。研究者は、当時の北ドイツが、この動物が暮らせる範囲の北限に近かった可能性を述べています。

確認できたこと

歯が出た場所は、湖の近くの地層です。シェーニンゲンは、旧石器時代の人類や動物の痕跡がよく残る遺跡として知られています。湖岸の堆積物は、当時の環境や気候を考える材料にもなります。今回の研究で確認されたのは、歯の年代、形、保存状態、そして現代のバーバリーマカクとの近さです。限られた標本から、北ドイツまでの分布が裏づけられました。

まだ分からないこと

歯が1本だけでは、そのマカクがなぜ北へ来たのかは分かりません。現地で生まれたのか、群れと移動してきたのかも不明です。何匹がいたのか、どのくらい長く暮らしたのかも答えられません。湖岸の地層は環境の手がかりを持ちますが、歯だけで当時の食べ物や季節まで決めることはできません。

その後、バーバリーマカクのヨーロッパでの分布は大きく縮み、最後の氷期に欧州から姿を消しました。研究者は、気候変化、すみかの減少、そして初期の人類からの圧力が要因だった可能性を挙げています。ただし、どれか一つが唯一の原因と決まったわけではありません。

次に見る点

今後、シェーニンゲンの同じ地層や近くの場所から、別の歯や骨が見つかるかが注目されます。標本が増えれば、北ドイツが一時的な訪問先だったのか、安定した分布の端だったのかを考えやすくなります。1センチにも満たない乳歯が、昔の動物の広がりと、その後の変化を調べる手がかりになりました。

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ドイツ北部で、昔のマカクの乳歯が見つかった

📰 しっかり版: 湖畔の小さな乳歯が示した、30万年以上前の北ドイツとマカク

小さな歯が、マカクが今よりずっと北にいたことを教えました。

約1分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
乳臼歯(にゅうきゅうし)

子どもの時期に使う奥歯。

バーバリーマカク(ばーばりーまかく)

北アフリカなどにいるマカク。

地層(ちそう)

土や砂が長く重なったもの。

💡 ようするに

  • ドイツ北部で、古いマカクの乳歯が見つかりました。
  • そのマカクは、30万年以上前に生きていました。
  • 今の生息域より、約1800キロ北にいた証拠です。

2004年、ドイツのシェーニンゲンで発掘がありました。現場はニーダーザクセン州の湖の近くです。そこで見つかった歯を、研究者が調べ直しました。

歯はほぼ完全に残り、長さは1センチ未満でした。約1歳のマカクの乳臼歯だとわかりました。マカクは猿の仲間です。この個体は、現在のバーバリーマカクにとても近い種類でした。

今のバーバリーマカクは、北アフリカとジブラルタルにいます。他のマカクはアジアにいます。でも昔は、スペインやイタリア、ギリシャだけでなく、ドイツやイングランドにもマカクの化石がありました。今回の歯は、ヨーロッパ大陸で最も北にあるマカクの証拠です。

大切なのは、若いマカクが実際にそこにいた点です。ただし、歯1本では、何匹いたかはわかりません。長く住んだのか、たまたま来たのかも不明です。研究者は、後に欧州から消えた理由として、気候変化、すみかの減少、初期の人類からの圧力を挙げています。ただ、どれか一つが原因と決まったわけではありません。

次に知りたいのは、同じ地層から別の歯や骨が見つかるかです。周りの地層を調べれば、当時の環境と、マカクが北まで来た理由に近づけます。今回の発見は、1センチにも満たない歯が、昔の動物の分布を考える手がかりになる例です。

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ドイツで見つかった、おさるさんの小さな乳歯

📰 しっかり版: 湖畔の小さな乳歯が示した、30万年以上前の北ドイツとマカク

ちいさな歯が、むかしのマカクを教えてくれました。

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ことば
マカク(まかく)

おさるさんの仲間の名前。

乳歯(にゅうし)

子どもの時に使う歯。

シェーニンゲン(しぇーにんげん)

歯が見つかったドイツの場所。

ちいさな歯のおはなし

ドイツのシェーニンゲンで、歯が見つかりました。 シェーニンゲンは、ドイツの町です。 その歯は、赤ちゃんマカクの乳歯でした。 マカクは、おさるさんの仲間です。 歯は、1センチより短いです。 その赤ちゃんは、30万年以上前に生きていました。 そのころ、マカクはドイツの北まで来ていました。 今のマカクは、北アフリカとジブラルタルにいます。 この歯は、今より約1800キロ北で見つかりました。 だから、むかしは今より北にいたとわかります。 でも、歯1本では、何匹いたかわかりません。 なぜ来たのかも、まだわかりません。 もっと古い歯や骨が見つかると、話が増えそうです。

出典・参考