恐竜ではない草食動物が「始まり」の時計を動かす タンザニアの化石を再調査
単弓類
哺乳類に近い動物を含む大きな仲間。
生物地層学
離れた岩が同じ時代か、化石で比べる方法。
放射年代測定
岩ができた時期を、岩の中の自然な変化から調べる方法。
何が起きたか
タンザニアで約2億4000万年前の化石を調べた国際チームが、新種を記載しました。名前はディノドントサウルス・イシヤバマンダ(Dinodontosaurus isiyavamanda)です。植物を食べるディキノドン類で、恐竜ではありません。哺乳類へつながる単弓類の大きな系統に属します。
重要なのは、この発見が恐竜の祖先を直接見つけた話ではないことです。化石を含む岩の年代を比べる手がかりになり、タンザニアの「最古の恐竜候補」の位置づけを見直す材料になりました。
60年以上眠っていた標本
標本は1963年、英国の調査隊がタンザニアで集めたものです。ロンドンの自然史博物館に収蔵されましたが、詳しい研究は一部にとどまっていました。研究者のナイジェル・ラーキンは1994年の修士論文で、未知の種かもしれないと考えました。後に見つかった頭骨の一部と、進歩したマイクロCTスキャン、国際チームの研究が、標本の正体を詳しく調べる助けになりました。種名の後半は、化石が見つかった地域のワマンダの人々にちなみます。
なぜ恐竜の歴史に関係するのか
ディノドントサウルス属は、これまで南米でしか知られていませんでした。今回、タンザニアで南米以外の確かな記録が初めて確認されました。同じ動物の仲間が二つの大陸にいると、そこにある岩が同じ時代にできたのかを比べやすくなります。この方法は生物地層学と呼ばれます。
南米の新しい放射年代測定は、対応する初期恐竜の化石を含む岩が、南アフリカ側で従来考えられていた年代より最大1000万年若い可能性を示しました。タンザニアの岩も南米と同じ年代なら、そこにある最古級の恐竜候補が、南米の記録より古いとは言いにくくなります。
確認できたこと
確認されたのは、新種の名前と分類だけではありません。南米とタンザニアの化石記録を結ぶ比較材料が増え、タンザニアの岩層を「世界最古級」と扱う根拠は弱まりました。ただし、研究が決めたのは恐竜の誕生日ではなく、年代を比べるための新しい手がかりです。論文はJournal of Vertebrate Paleontologyに発表されました。
まだ分からないこと
恐竜がいつ、どこで最初に現れたのかは、まだ一つに決まっていません。タンザニアの岩から出た最古級候補が、本当に恐竜なのか、どの年代に生きたのかも、今後の比較が必要です。今回の標本も頭以外の骨が十分に調べられておらず、同じ場所で大型草食動物がどう共存したかも未解明です。
次に見る点
研究チームは、残る骨を南米の標本と比べ、ディノドントサウルスの動きや食べ方、生態を調べる計画です。古い博物館標本が、新しい画像技術と地域をまたぐ比較によって、恐竜の「最初」を測る時計に変わった。今回のニュースは、そのことを示しています。
(研究発表:ブリストル大学の発表を掲載したPhys.org、論文:Journal of Vertebrate Paleontology。)
恐竜ではない草食動物が、恐竜の年代を見直す
📰 しっかり版: 恐竜ではない草食動物が「始まり」の時計を動かす タンザニアの化石を再調査
古い化石が、最初の恐竜を探す時計を調べ直す手がかりになりました。
ディノドントサウルス・イシヤバマンダ
タンザニアで新種と分かった、古代の植物食動物。
単弓類
哺乳類へつながる大きな動物の仲間。
地層対比
離れた場所の岩の年代を比べること。
💡 ようするに
- タンザニアで、約2億4000万年前の化石が調べられた。
- その動物は恐竜ではなく、植物を食べていた。
- 化石が岩の年代を比べる手がかりになった。
何が起きたの?
科学者は、タンザニアの古い化石を調べました。新しい種類だと分かり、ディノドントサウルス・イシヤバマンダと名づけました。この動物は、単弓類という、哺乳類へつながる仲間です。だから、恐竜ではありません。
化石は、1963年に集められました。その後、長く博物館に保管されていました。新しいスキャンで、骨の形を詳しく見られました。
なぜ大事なの?
同じ属の動物は、南米でも知られていました。アフリカと南米の両方にいると、岩の年代を比べられます。この比べ方を地層対比といいます。
南米の年代測定は、対応する岩が思ったより若い可能性を示しました。差は最大1000万年です。そのため、タンザニアの最古の恐竜候補も、もっと若いかもしれません。
まだ決まっていないこと
この研究だけで、恐竜の始まりの日は決まりません。どの化石が最古なのかも、まだ調べる必要があります。研究者は、残った骨と南米の標本を比べる予定です。
草を食べた動物が、恐竜のむかしを教える
📰 しっかり版: 恐竜ではない草食動物が「始まり」の時計を動かす タンザニアの化石を再調査
恐竜ではない古い動物の化石が、大事な手がかりになりました。
化石
むかしの生き物の体が、石の中に残ったもの。
地層
岩が重なった一枚一枚の層。
何があったの?
タンザニアで、古い化石が調べられました。
化石は、むかしの生き物の体が石に残ったものです。
ディノドントサウルス・イシヤバマンダは、草を食べる動物です。
およそ2億4000万年前に生きていました。
この動物は、恐竜ではありません。
同じ仲間の化石は、南アメリカにもありました。
岩の重なりを、地層といいます。
二つの場所の地層を比べられます。
すると、恐竜の手がかりの年も考え直せます。
タンザニアの岩は、思ったより新しいかもしれません。
そこにある恐竜の手がかりも、思ったより後かもしれません。
でも、恐竜がいつ始まったかは、まだ決まっていません。
科学者は、残った骨をもっと調べます。