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乾いた年を葉が覚えていた アスペンの「機能的記憶」が変える守り方

約2分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
アスペン(あすぺん)

北米などに広がるヤマナラシ属の木。

機能的記憶(きのうてききおく)

過去の環境の影響が、あとで体の働きに残ること。

サリシノイド・フェノール配糖体(さりしのいど・ふぇのーるはいとうたい)

虫などを遠ざける働きがある葉の成分の一群。

何が起きたか

アスペン(ヤマナラシの仲間)の葉は、前の年の干ばつを経験すると、次の葉でつくる守りの成分を変えていました。ユタ大学(米国の研究大学)の研究チームが、2021〜2023年の3年間、共通の庭で水の量を操作して調べました。対象は、ユタ州とコロラド州の5つの国有林から増やした木です。前の年に水を減らされた木では、翌年の葉に、虫を遠ざけるサリシノイド・フェノール配糖体(SPG)が多くなりました。2023年には、凝縮タンニンが少なくなる変化も見られました。

「記憶」は何を意味するか

ここでいう機能的記憶は、木が人間のように過去を思い出すという意味ではありません。干ばつが終わった後も、新しく出た葉の化学的な特徴に、前の水不足の影響が残っていた、という意味です。落葉樹では、干ばつの時に傷んだ葉は落ちます。それでも次の季節の葉に変化が出たため、研究者は過去の環境が葉のつくられ方に残る「履歴」と捉えました。

葉の守り方はどう変わったか

実験では、前の年に干ばつを受けた木のSPG量が、通常の水を受けた木より2022年に乾燥重量で1.46ポイント、割合で11%高くなりました。2023年にも、前年に干ばつを受けた木でSPGが8%高くなりました。SPGが乾燥重量で1ポイント増えると、葉の茂った部分の予測される被害は1.8%減りました。葉の菌類にも違いが出ました。干ばつの年には、病気を起こす可能性がある菌の割合が増え、SPGが多いほどその割合は下がりました。ただし、同じ属でも働きが違う菌があり、すべてを病原菌とは言えません。

なぜ重要か

アスペンは、虫や病原体、干ばつの影響を受ける森林の大切な木です。過去の水不足が、葉の守りや葉の菌類との関係まで変えるなら、雨が戻った後の回復も、干ばつ中だけを見ていては分かりません。今回の実験では、守りの成分を増やしたことが成長を犠牲にした証拠はありませんでした。木が限られた資源を、成長と防御のどちらに回すかは、単純な二択ではない可能性があります。

まだ分からないこと

研究は、葉の変化が干ばつへの積極的な調整なのか、根や水を運ぶ組織の傷、糖の蓄えの変化などの間接的な結果なのかを決めていません。葉の成分が増えたことで、木が長期的に助かるのか、逆に弱るのかも未確定です。菌類の変化も、木に害を与える変化なのか、別の役割を持つ菌が増えただけなのか、種類ごとに確かめる必要があります。

次に見る点

今後は、遺伝的な違いや染色体の違いを広く含む木を使い、自然の森でも長く追跡することが重要です。葉の成分、虫や菌との関係、枝葉の回復、木そのものの生存をつなげて調べれば、「干ばつの履歴」が森の未来をどう左右するかが見えてきます。今回の結論は、木が考えて記憶するという話ではなく、過去の水不足が新しい葉の働きに残ることを、管理された実験で示した点にあります。

参考: 査読論文/ユタ大学の解説

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アスペンの新しい葉に、前の干ばつのあとが残った

📰 しっかり版: 乾いた年を葉が覚えていた アスペンの「機能的記憶」が変える守り方

アスペン(ヤマナラシの仲間の木)は、前の水不足の影響を次の葉に残しました。

約1分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
アスペン(あすぺん)

ヤマナラシの仲間の木。

干ばつ(かんばつ)

雨や水が長い間少ないこと。

機能的記憶(きのうてききおく)

昔の環境が、体の働きにあとから残ること。

💡 ようするに

  • アスペンに水を減らす実験をした。
  • 乾いた翌年、葉の成分が変わった。
  • その変化は、虫や菌に関係していた。

どんな実験?

ユタ大学の研究チームが三年間調べました。 アスペンはヤマナラシの仲間の木です。 研究者は木を同じ庭で育てました。 水を十分にやる木も用意しました。 水を少なくする木も用意しました。 そのあと、新しい葉を比べました。

葉に何が起きた?

前の年に乾いた木は、虫を遠ざける成分を多く作りました。 この成分は葉の守りに使われます。 次の年にも、その違いが残りました。 葉の表面にいる菌の種類も変わりました。 干ばつの年には、病気を起こす可能性のある菌が増えました。 でも、すべての菌が悪いとは限りません。

なぜ「記憶」なの?

葉は毎年、新しく作り直されます。 それでも前の水不足の影響が残りました。 研究者はこれを「機能的記憶」と呼びました。 木が思い出しているわけではありません。 過去の環境が、体の働きを変えたのです。

まだ分からないこと

葉の変化は、木の助けになるかもしれません。 実際、守りの成分が多い葉ほど、葉の茂った部分の被害が少ない関係がありました。 ただし、木が長く生きられるかは不明です。 根の傷などが原因かもしれません。 自然の森でも同じか、調査が必要です。

参考: 研究論文/ユタ大学の解説

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木の葉は、かわいた日を覚えていたの?

📰 しっかり版: 乾いた年を葉が覚えていた アスペンの「機能的記憶」が変える守り方

アスペン(ヤマナラシの仲間の木)に、水を少なくして調べました。

約1分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
アスペン(あすぺん)

ヤマナラシの仲間の木。

機能的記憶(きのうてききおく)

前の出来事が、体の働きに残ること。

木に水をあげる実験

ユタ大学(木を調べる大学)の人たちが、アスペンを見ました。 木を同じ場所で育てました。 水をたくさんあげる木もいました。 水を少なくする木もいました。

新しい葉の変化

水が少ない年のあと、木の新しい葉は守りの成分を多く作りました。 その成分は、葉を食べる虫がいやがるものです。 葉にいる小さな菌の仲間も変わりました。

本当に思い出したの?

木が頭で思い出したわけではありません。 前のかわきが、次の葉の作り方に残ったのです。 研究者はこれを「機能的記憶」と呼びました。

守りの成分が多い葉は、傷みが少ない関係でした。 でも、木が長く元気でいられるかは分かりません。 もっと木を調べる必要があります。

参考: 研究論文/ユタ大学の解説

出典・参考