🐾 生き物

大企業の生物多様性対策、指標を使うのは約9% 一つの数字では自然を見落とす

約2分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
生物多様性指標(せいぶつたようせいしひょう)

生き物や自然の状態を、数字で比べるための尺度。

生態地域(せいたいちいき)

似た自然環境が広がる陸地のまとまり。

生息地(せいそくち)

生き物が暮らし、食べたり子を育てたりする場所。

何が起きたか

企業が自然への影響を判断するための「生物多様性指標」を使っているかを調べた研究で、対象89社のうち、公開報告書に利用を記していたのは8社、約9%だった。調査対象は、食品、飲料、たばこ、衣料、化学、建設、エネルギー、鉱業という、自然への影響が大きい8業種の大企業だ。研究はルンド大学(スウェーデンの大学)の研究者が行い、学術誌Journal of Cleaner Productionに発表された。ルンド大学の発表 研究論文

どう調べたか

研究者は89社のサステナビリティ報告書を読み、各社がどんな指標を使っているかを調べた。さらに、4種類の指標が陸上の846の「生態地域」で、どんな場所を重要と評価するかを比べた。生態地域は、似た自然環境が広がる範囲のことだ。指標を使うと報告した8社のうち、複数の指標を使っていたのは2社だけだった。

一つの指標で結論が変わる

指標は、自然の同じ面を見ているわけではない。たとえば、生態系全体の状態を測るものと、絶滅危惧種にとっての重要度を測るものでは、注目する場所が違う。同じ地域でも、一方では価値が高く、もう一方では低く見えることがある。研究では、指標同士の地域的な一致は弱く、ときには逆向きだった。だから一つだけを使うと、ある自然の価値を守る一方で、別の大切な価値を見落としかねない。

なぜ重要か

企業は、原料をどこから買うか、どの地域で事業を広げるかを決める。判断の材料が狭ければ、保護すべき場所を安全だと誤って扱う恐れがある。研究では、846の生態地域のうち33地域で、各指標の集計値の半分超が、2050年までに大きな生息地損失を受けると予測される地域に集中していた。10地域では、その割合が80%以上だった。多くは熱帯にあり、農地の拡大や森林伐採が主な圧力とされた。

分かったことと限界

今回確かめられたのは、企業の公開報告書で指標の利用がほとんど報告されていないことと、使う場合も一つに偏りやすいことだ。報告書に書いていない社内データまで否定した結果ではない。また、研究は「この指標が正解」と決めたものでも、特定企業の判断が実際に自然を損なったと証明したものでもない。9%という数字は、企業の関心そのものではなく、報告された利用の割合として読む必要がある。

次に見る点

研究者は、複数の指標を同時に使うこと、同じ自然の側面でも複数の指標を比べることを勧める。複数を一つにまとめた指標は、最初の絞り込みには使えても、重要な判断では個別の情報を残すべきだという。さらに、生態地域ごとの評価、遺伝的な多様性や生態系のつながりを測る方法、植物・菌類・無脊椎動物のデータ、将来の土地利用の変化も必要になる。今後は、企業がどの指標を、どの地域の、どんな決定に使ったのかを公開できるかが焦点になる。

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自然を守る数字、使っている大企業は約9%

📰 しっかり版: 大企業の生物多様性対策、指標を使うのは約9% 一つの数字では自然を見落とす

会社が自然への影響を考えるには、見る数字を一つにしないことが大切です。

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ことば
生物多様性(せいぶつたようせい)

生き物の種類や、自然の豊かさ。

指標(しひょう)

自然の状態を数字で比べる方法。

生態地域(せいたいちいき)

似た自然が広がる陸地のまとまり。

💡 ようするに

  • 89社のうち、8社だけが指標の使用を報告しました。
  • 自然を見る数字は、種類によって結果が変わります。
  • 研究者は、複数の数字を合わせるよう提案しました。

ルンド大学(スウェーデンの大学)は、89社の報告書を調べました。対象は、食品や衣料、化学、エネルギーなどの大企業です。

生物多様性は、生き物の種類や自然の豊かさです。指標は、自然の状態を数字で比べる方法です。89社のうち、指標を使っていると報告した会社は8社でした。約9%です。その8社のうち、複数の指標を使っていたのは2社だけでした。

研究者は4種類の指標を比べました。一つは、生態系全体の状態を見ます。別の一つは、いなくなりそうな生き物に大切な場所を見ます。だから、同じ場所でも評価が変わることがあります。一つの数字だけでは、別の大切な場所を見落とすかもしれません。

研究では、陸上の846の生態地域も調べました。33地域では、指標で高く評価される自然が、2050年までに大きな生息地の減少を受ける地域に集中していました。10地域では、その割合が80%以上でした。農地の拡大や森林伐採が、主な圧力です。

この研究は、会社が自然を大切にしていないと決めつけるものではありません。公開報告書に書かれた利用を数えた調査だからです。研究者は、複数の指標を地域ごとに使い、将来の土地の変化も考えるよう求めています。

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自然を見る数字は、一つでいい?

📰 しっかり版: 大企業の生物多様性対策、指標を使うのは約9% 一つの数字では自然を見落とす

会社が自然を守るには、いろいろな見方がいります。

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ことば
ルンド大学(ルンドだいがく)

スウェーデンにある大学。

ルンド大学(スウェーデンの学校)は、大きな会社89社の報告を読みました。

89社のうち、8社だけが自然を見る数字を使っていました。8社は約9%です。

自然を見る数字には、いろいろな種類があります。生き物の種類を見る数字があります。いなくなりそうな生き物を見る数字もあります。

同じ場所でも、数字が変わると大事さが変わることがあります。一つだけだと、大切な場所を見落とすかもしれません。

研究者は、いくつもの数字を一緒に見るように言いました。陸地の846地域も調べました。33の自然の地域では、2050年までに動物の住む場所が大きく減る心配があります。

自然を守るには、一つの答えだけで決めないことが大切です。

出典・参考