二種だと思われた枝そっくりの虫、実は五種 オーストラリアのナナフシを再調査
Anchiale(アンキアレ)
オーストラリアの大型ナナフシを含む属の名前。
DNA(ディーエヌエー)
生き物の体の特徴に関わる情報。
Anchiale mabiensis(アンキアレ・マビエンシス)
クイーンズランド州のマビ熱帯雨林で見つかった新種の名前。
何が起きたか
オーストラリアの大型ナナフシの仲間で、これまで二種と考えられていたグループが、実は五種に分かれることが分かった。シドニー大学(オーストラリアの大学)の研究チームが、Anchiale(大型ナナフシの属)を見直した成果だ。研究では二つの新種を記載し、数十年にわたり別の種と取り違えられていた虫も、正しい種として位置づけた。論文はAustral Entomology(昆虫学の学術誌)に掲載された。
外見だけでなく、DNAと標本を照合
研究チームは、虫の体の形だけで判断しなかった。DNA(生き物の体の特徴に関わる情報)、博物館や個人コレクションの標本、野外調査、市民が投稿した観察記録、飼育された個体を組み合わせた。この仲間については、市民の観察記録だけでも1000件を超える。それでも、よく撮影され、何十年も研究されてきた虫の中に、見落とされた種が残っていた。
その結果、長く名前を取り違えられていた大型種は、Anchiale robusta(新しく認められたナナフシの種)として記載された。見た目が似ているだけでは同じ種とは限らない。遺伝情報や体の細かな違いを重ねて調べることで、別の系統だと判断できる。
卵に見つかった「ふた」
もう一つの新種Anchiale mabiensis(マビ熱帯雨林で見つかった新種)は、クイーンズランド州(オーストラリア北東部の州)のマビ熱帯雨林で見つかった。この森は、絶滅の危機にある地域だ。この虫の卵には、ふたのような構造がある。記事によると、ナナフシや近縁の虫で、これまで確認されたことがない特徴だ。成虫の姿だけでなく、卵の形も種を見分ける手がかりになった。
なぜ重要か
新種が見つかったというだけでなく、「身近に見える生き物も、まだ正しく数えられていない」という点が重要だ。五種は、ニューサウスウェールズ州北部(オーストラリア東部)からクイーンズランド沿岸、北部の熱帯地域まで分布する。研究対象の一種には、数が急に増えて木の葉を大量に食べることがあるものもいる。種を正しく分ければ、森林や農業への影響を調べるとき、どの虫を見ているのかを明確にできる。
確認できたこと、まだ分からないこと
今回の研究で、Anchialeのオーストラリアの仲間は五種として整理され、二種が新たに記載された。DNAと形の分析が、分類を見直す根拠になった。一方、ケープ・ヨーク(オーストラリア北部)には、もう一つ未記載の種がいる可能性がある。ただし、研究者は追加の標本が必要だとしており、まだ確定していない。卵のふたのような構造が何のためにあるのかも、今回の報道からは分からない。
次に必要なのは、候補の虫をさらに集め、生息場所と体の特徴を比べることだ。絶滅の危機にあるマビ熱帯雨林を守りながら、見つかっていない生物を記録する作業も続く。名前を直すことは、自然を数え直し、守る対象を正確にすることでもある。
参考:ScienceDailyの報道、掲載論文。
二種類だと思ったナナフシが、五種類だった
📰 しっかり版: 二種だと思われた枝そっくりの虫、実は五種 オーストラリアのナナフシを再調査
枝のように見えるオーストラリアのナナフシを、科学者が調べ直しました。
DNA(ディーエヌエー)
生き物の体の特徴に関わる情報。
Anchiale robusta(アンキアレ・ロブスタ)
長く別の種と間違えられていたナナフシの名前。
マビ熱帯雨林(マビねったいうりん)
クイーンズランド州にある、守る必要のある森。
💡 ようするに
- 二種類だと思われたナナフシが、五種類に分かれました。
- 新しい種の卵には、ふたのような形があります。
- DNAや昔の標本が、長い取り違えを直しました。
シドニー大学(オーストラリアの大学)の研究チームは、オーストラリアのナナフシの仲間を調べ直しました。前は、この仲間を二種類だと考えていました。ところが、体の形、DNA、博物館の標本、野外の記録を比べると、五種類に分かれました。飼育された虫も調べました。市民が投稿した観察記録も役立ちました。
長く名前を間違えられていた虫は、Anchiale robusta(新しく分けられた種の名前)になりました。クイーンズランド州(オーストラリア北東部の州)のマビ熱帯雨林では、Anchiale mabiensis(新種の名前)も見つかりました。この虫の卵には、ふたのような形があります。ナナフシの仲間では、初めて確認された特徴です。
これは、よく見られる虫でも、正体を数え違えることがあるという話です。見た目が似ていると、同じ種だと思いやすくなります。でも、DNAや細かな体の違いを調べると、別の種だと分かることがあります。
種類を分けることは、名前を変えるだけではありません。葉を大量に食べ、木に被害を出すことがある虫もいます。どの種か分かれば、森林や農業への影響を調べやすくなります。
ケープ・ヨーク(オーストラリア北部)には、さらに別の種がいるかもしれません。ただし、標本が足りず、まだ決まっていません。これからの調査では、追加の虫を集め、生息場所や体の特徴を確かめます。危機にある森を守ることも大切です。
二つだと思った虫が、五つの仲間だったよ
📰 しっかり版: 二種だと思われた枝そっくりの虫、実は五種 オーストラリアのナナフシを再調査
枝みたいな虫を、もう一度よく調べました。
ナナフシ(ななふし)
枝みたいに見える虫。
DNA(ディーエヌエー)
生き物の体にある情報。
Anchiale mabiensis(アンキアレ・マビエンシス)
卵にふたみたいな形がある虫の名前。
オーストラリアに、枝みたいな虫がいます。 ナナフシという虫です。
シドニー大学(オーストラリアの大学)が調べました。 前は、二つの仲間だと思われていました。 でも、五つの仲間に分かれました。
虫の体を見ました。 古い虫の標本(保存した虫)も見ました。 DNA(生き物の体の情報)も見ました。
Anchiale mabiensis(新しい虫の名前)が見つかりました。 この虫の卵には、ふたみたいな形があります。 こんな形は、初めて見つかりました。
別の虫は、何十年も名前を間違えられていました。 その虫は、Anchiale robustaという名前になりました。
まだ、分からない虫もいます。 ケープ・ヨーク(オーストラリアの場所)の虫です。 標本がもっと必要です。
虫をていねいに数えると、森を守る手がかりになります。