GPSが映した逆向きの追跡 近づいていたのは雄ライオンだった
GPS首輪(ジーピーエスくびわ)
動物の位置を定期的に記録する首輪です。
種間ペア(しゅかんペア)
違う種類の動物を組み合わせた一組です。
何が起きたか
ライオンとハイエナは、同じ獲物や場所を使う大きな肉食動物です。長く、ハイエナがライオンを追い、食べ残しをねらう姿が語られてきました。ところが、GPSを使った新しい研究は、出会ったときの「近づく・離れる」の向きが、少なくとも調査した場所では逆だったと示しました。
2026年9月に発表された研究は、ナミビアのエトーシャ国立公園と、ボツワナのチョベ・リニャンティ地域で、17頭のライオンと14頭のブチハイエナを4年間追跡しました。GPS首輪は、活動が盛んな時間帯の位置を5分ごとに記録しました。同じ時刻に位置が分かる23組を比べ、そのうち10組はライオンとハイエナの種間ペアでした。研究はFrontiers in Ethology(動物行動学の学術誌)に掲載されています。研究論文
背景
ハイエナがライオンの獲物を利用することはあります。だから、ハイエナがライオンを追うというイメージには、一部の根拠があります。ただ、食べ物の場所へ向かうことと、ライオンそのものへ向かうことは同じではありません。今回の研究は、獲物を奪う場面だけでなく、2種の動物が近くにいるときの移動方向を見ました。
なぜ重要か
野生動物は広い場所を動き、暗い時間に出会います。人がその瞬間を見続けるのは難しいため、これまでの説明は、見つけやすい食事の場面に引っぱられていた可能性があります。5分ごとの位置を同時に比べると、「どちらがどちらへ動いたか」を確かめられます。ハイエナが距離を取る動きは、ライオンのいる場所を避けて暮らす仕組みの一部かもしれません。
確認できたこと
研究チームは、動きの向きを三つの別の統計的な方法で調べました。三つすべてで、ハイエナがライオンから離れる傾向が支持されました。雄ライオンには、ハイエナへ向かう傾向がありました。一方、雌ライオンには、近づくとも離れるとも言える一貫した傾向がありませんでした。つまり、ライオン全体が必ずハイエナを追ったという意味ではありません。確認できたのは、ハイエナの退避と、雄ライオンに見られた方向の偏りです。
まだ分からないこと
雄ライオンが近づいた理由は、この研究では調べていません。競争相手を確かめたのか、ハイエナの動きから獲物の手がかりを得ようとしたのか、優位を示そうとしたのかは、まだ仮説です。また、追跡した頭数と種間ペアは多くありません。別の地域や別の群れでも同じ動きが出るか、確認が必要です。
次に見る点
次の研究では、もっと多くの個体を長く追い、獲物の発見や追い払い、子どもの生存と移動を結びつける必要があります。保護区の柵や水場への集中で、動物が使える空間が狭くなったとき、距離を取る戦略がどう変わるかも重要です。今回の結果は、ライオンとハイエナの関係を単純な「追う側」と「追われる側」だけでは説明できない、と教えています。
ライオンとハイエナ、近づくのはどっち?
📰 しっかり版: GPSが映した逆向きの追跡 近づいていたのは雄ライオンだった
位置を記録するGPSで調べると、予想と逆の動きが見えました。
GPS(ジーピーエス)
動物の場所を記録する仕組みです。
GPS首輪(ジーピーエスくびわ)
動物の場所を記録する首輪です。
💡 ようするに
- 4年間のGPS記録で、2種の動きを比べました。
- ハイエナは、ライオンから離れました。
- おすライオンは、近づく傾向を見せました。
GPSは、動物の場所を記録する仕組みです。研究チームは、ナミビアという国のエトーシャ国立公園で調べました。ボツワナという国のチョベ・リニャンティ地域でも調べました。
見たのは、ライオン17頭とブチハイエナ14頭です。4年間、GPS首輪の記録を集めました。同じ時刻に位置が分かる23組を比べました。そのうち10組は、ライオンとハイエナの組でした。
ハイエナは、ライオンが近くにいると離れる動きをしました。おすライオンは、ハイエナへ向かう傾向がありました。めすライオンは、近づくか離れるかが決まっていませんでした。
なぜ、ハイエナは離れるのでしょうか。ライオンは、食べ物の場所でハイエナを追い払うことがあります。ハイエナにとって、距離を取ることは身を守る方法かもしれません。ただし、おすライオンが近づく理由は、まだ分かりません。競争相手を確かめた可能性や、食べ物の手がかりを探した可能性があります。これは、これから確かめる考えです。
ハイエナがライオンの食べ物を利用することはあります。食べ物へ向かうことと、ライオンへ向かうことは同じではありません。今回の調査は、見た目のイメージではなく、動物の位置と向きを比べました。もっと多くの群れを調べれば、同じ結果が広い地域で出るか分かります。詳しい研究論文
ライオンとハイエナ、どっちが近づくの?
📰 しっかり版: GPSが映した逆向きの追跡 近づいていたのは雄ライオンだった
動物の場所を記録する道具で、意外な動きが分かったよ。
GPS(ジーピーエス)
動物のいる場所を知らせる道具です。
ナミビアとボツワナという国で、動物を調べる人たちが見ました。
GPSは、動物のいる場所を知らせる道具だよ。
動物を調べる人たちは、17頭のライオンと14頭のハイエナを4年見ました。GPSは5分ごとに場所を記録しました。
すると、ハイエナはライオンから離れました。おすのライオンは、ハイエナへ近づくことが多かったです。めすのライオンは、決まった動きをしませんでした。
ハイエナは、ときどきライオンが残した食べ物を食べます。でも、食べ物へ行くことと、ライオンへ行くことは違います。
おすのライオンが近づく理由は、まだ分かりません。もっとたくさんの動物を調べなくてはいけません。
大人向けの元の調べは、研究論文で読めます。