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北極海の「とける季節」はなぜ伸び止まった? 1979年から約40日長く、いまは年ごとの揺れが主役に

約2分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
融解期

海の氷がとけ始めてから、凍り始めるまでの期間。

多年氷

何年も夏を越して残る海の氷。

エネルギー収支

入ってくる熱と、外へ出ていく熱の差。

何が起きたか

北極海の海氷には、春にとけ始めてから秋に凍り始めるまでの融解期(とける季節)があります。NASAの地球観測記事が紹介した研究では、1979年から2023年までの衛星観測を調べました。結果は意外でした。とける季節は1979年より約40日長くなっていたのに、その伸びは2010年ごろから平均ではほぼ止まっていたのです。年ごとの長さは大きく揺れていました。NASAの地球観測記事と研究論文が、この変化を報告しています。

増えた日数はどこから来たか

約40日という増加は、春の変化だけではありません。研究では、春にとけ始める時期が約7日早くなった一方、秋に凍り始める時期が約34日遅くなったと推定しました。つまり、北極の夏が急に長くなったというより、秋の凍り始めが大きく後ろへずれたことが主な理由です。特に変化が大きかったのは2000年代でした。

なぜ2000年代に伸びたのか

氷が減ると、白い氷の下から暗い海水が広く現れます。暗い水は氷より太陽の光を吸収しやすく、夏に受け取った熱を海に残します。その熱が秋まで残ると、海はすぐには凍れません。これが凍り始めを遅らせ、とける季節を延ばしました。研究は、2000年代に多年氷(何年も夏を越して残る氷)が減り、氷の量と厚さが大きく変わったことも示しています。

2010年以降の「安定」は回復ではない

2010年以降、平均の長さが伸びにくくなったのは、北極が元に戻ったからではありません。いまの氷は若く薄いものが多く、雲の量、嵐、風の違いに左右されやすくなっています。また、この時期は雲の変化によって、北極海の一部に届く日光が減りました。研究者は、海や大気から入る熱と、宇宙へ逃げる熱の差をエネルギー収支として調べています。入る熱の変化が小さくなり、長い目で見た平均は横ばいになったと考えられます。ただし、毎年の結果はむしろ不安定です。

なぜ重要か

「伸びが止まった」という一文だけを見ると、温暖化の影響が弱まったように聞こえます。しかし、研究が示すのは、長くなった状態の中で変化の形が変わったということです。北極は世界平均の約4倍の速さで温暖化を続け、残る海氷も数十年前よりかなり薄くなっています。平均が動かない期間でも、氷が薄い状態は続いています。

まだ分からないことと次に見る点

最近の横ばいが長く続くのか、次の急な減少までの一時停止なのかは分かっていません。グリーンランド北部とカナダ北極諸島の北には、夏を越す厚い氷がまだ残っています。そこまで薄くなれば、融解期が再び大きく伸びる可能性があります。今後は衛星で、とけ始める日だけでなく、凍り始める日、氷の厚さ、雲や海に出入りする熱を追う必要があります。今回の研究が教えるのは、北極を氷の面積だけでなく、季節の長さと年ごとの揺れでも見る必要がある、という点です。

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北極海の氷がとける季節、伸びが止まって見える理由

📰 しっかり版: 北極海の「とける季節」はなぜ伸び止まった? 1979年から約40日長く、いまは年ごとの揺れが主役に

北極海では、氷がとける季節が昔より約40日長くなりました。ただ、2010年ごろから平均の長さは大きく変わっていません。これは回復ではなく、薄い氷と天気の影響が強くなったためです。

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ことば
海氷

海に浮かぶ氷。

衛星観測

人工衛星から地球を調べること。

💡 ようするに

  • とける季節は1979年より約40日長い。
  • 2010年ごろから、平均の長さはほぼ横ばい。
  • 年ごとの天気で、長さが大きく変わる。

北極海の海氷には、とける季節があります。春にとけ始め、秋に凍り始めるまでです。NASAが紹介した研究は、1979〜2023年の衛星観測を調べました。

約40日長くなった主な理由は、秋の凍り始めが遅くなったことです。春のとけ始めは約7日早まりました。秋の凍り始めは約34日遅れました。

2000年代には、氷が大きく減りました。氷が消えた場所には、暗い海水が現れます。暗い海水は、白い氷より日光を吸収します。その熱が秋まで残り、海が凍りにくくなりました。

2010年ごろからは、雲の変化で北極海に届く日光が減った地域があります。そのため平均は伸びにくくなりました。しかし氷は薄く、若いものが多いままです。雲や風、嵐で年ごとの差が出やすくなりました。

これは、北極が冷え直したという意味ではありません。北極は世界平均の約4倍の速さで温暖化しています。残った氷も、昔より薄くなっています。

研究者は、今後も衛星で観測を続ける必要があるとしています。横ばいが続くのか、また急に変わるのかは、まだ分かりません。

出典:NASAの地球観測記事と研究論文。

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北の海の氷がとける季節、少し止まって見える

📰 しっかり版: 北極海の「とける季節」はなぜ伸び止まった? 1979年から約40日長く、いまは年ごとの揺れが主役に

北の海では、氷がとける時間が長くなりました。でも最近は、その長さが平均ではあまり変わりません。

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ことば
人工衛星

空から地球を見て、記録する機械。

北極海には、海の氷があります。春になると氷がとけます。秋になると氷が凍ります。その間が、とける季節です。

研究者は、人工衛星の記録を見ました。1979年ごろより、とける季節は約40日長くなっていました。

主な理由は、秋の凍り始めが遅くなったことです。氷が減ると、暗い海が見えます。暗い海は、太陽の光を吸いやすいです。海に残った熱で、氷がすぐ凍れません。

2010年ごろから、平均の長さはあまり変わりません。でも、年による違いは大きいです。雲や風が変わるからです。

これは、氷が元どおりになった話ではありません。北極はまだ暖かくなっています。氷も昔よりうすいままです。これからも人工衛星で、氷を見守ります。

出典:NASAの地球観測記事。

出典・参考