卵の「ふた」が見つけた、枝そっくりの5種類 豪州ナナフシを再調査
Anchiale(アンキアレ)
オーストラリアなどにいる大型ナナフシの仲間の名前。
ミトコンドリアDNA(ミトコンドリアディーエヌエー)
個体どうしの近さを比べる手がかりにした遺伝情報。
何が起きたか
オーストラリアで、枝に似た大型のナナフシの仲間が、実は2種類ではなく5種類だったと分かりました。シドニー大学の研究チームは、Anchiale(アンキアレ)という仲間を見直し、新種Anchiale robustaとAnchiale mabiensisを記載しました。さらに、別の種類にまとめられていたAnchiale albopunctataを、独立した種として戻しました。研究論文 研究機関による紹介
どうやって見分けたのか
見た目だけなら、色や体の大きさが同じ種の中でも変わります。そこで研究者は、野外で集めた個体、博物館の標本、調査記録、飼育記録、市民科学の観察記録を組み合わせ、32個体のミトコンドリアDNAも調べました。iNaturalistとAtlas of Living Australiaには、これらのナナフシについて1,000件を超える観察がありました。たくさん見られていた虫でも、名前の付け方が正しいとは限らなかったのです。
卵の表面が大きな手がかり
特に新種Anchiale mabiensisは、クイーンズランド州のマビ森林で確認されています。メスは約11.5センチで、卵はほかのオーストラリア産Anchialeより茶色く、つやが少ないうえ、ふたの部分に2〜3本の輪があります。論文は、この輪がナナフシ類、さらに近縁の昆虫の大きなグループでも初めて記録された特徴だとしています。卵だけでも種類を見分けられる可能性がある、ということです。
もう一つの新種Anchiale robustaは、メスが最大約16.2センチ。クイーンズランド州のタリーからクックタウン北方まで、少なくとも約450キロの海岸林に分布します。長く知られていた虫でしたが、DNAと体の特徴を合わせて調べると、何十年も別の種と取り違えられていたと分かりました。
なぜ重要なのか
種類の数が増えただけの話ではありません。2種類だと思っていたものが5種類なら、1種類あたりの分布域は、これまで考えたより狭いかもしれません。特にA. mabiensisは、農地開発で一部が失われた、守る価値の高いマビ森林だけで確認されています。どの場所に、どの種類がいるかを細かく知ることは、保全の優先順位を決める土台になります。
また、葉を大量に食べ、木の葉を大きく減らすほど増えるナナフシでは、複数の種を一つとして扱うと、森林や農業への影響も正しく見積もれません。分類の見直しは、名前を整える作業にとどまらず、対策の単位を整える作業でもあります。
今回、確認できたこと
今回の研究で、豪州のAnchialeは5種として整理され、そのうち2種が新種として記載されました。A. albopunctataについても、DNAと体の特徴から独立種として扱う根拠が示されました。研究チームは、見た目、遺伝情報、卵、分布を重ねることで、見慣れた虫の中に隠れていた違いを確認しました。
ただし、卵の輪が何のためにあるのかまでは分かっていません。輪がふ化を助けるのか、卵を守るのかも、今回の研究からは言えません。
これから分かること
ケープヨークからは、まだ名前を付けられない候補も見つかりました。ただし、確定には追加の標本が必要です。今後は、その候補を含む個体をさらに集め、DNAと体の特徴を比べることになります。マビ森林のように範囲が限られた場所では、まずそこに何種類いるのかを知ることが、守るための出発点になります。
見慣れたナナフシが、実は5種類だった
📰 しっかり版: 卵の「ふた」が見つけた、枝そっくりの5種類 豪州ナナフシを再調査
卵の形とDNAを調べると、似た虫の違いが見えてきました。
Anchiale(アンキアレ)
ナナフシの仲間の名前。
DNA(ディーエヌエー)
生き物の特徴を決める情報。
💡 ようするに
- 豪州のナナフシが、2種類から5種類に見直されました。
- 新種の一つは、卵のふたに2〜3本の輪があります。
- どこに住むかを知ることが、自然を守る手がかりになります。
何が見つかったの?
研究者は、Anchiale(アンキアレ)というナナフシの仲間を調べました。新しい種類は2つです。Anchiale robustaとAnchiale mabiensisです。さらに、別の種類に入れられていたAnchiale albopunctataも、別の種類に戻されました。これで、調べた仲間は5種類になりました。
どうして分かったの?
研究者は、虫の色や形だけを見ませんでした。体の特徴、卵の形、DNA(生き物の特徴を決める情報)、博物館の標本を調べました。市民が集めた写真や観察記録も役立ちました。見た目が似ていても、DNAや卵に違いがあれば、別の種類かもしれません。
新しいA. mabiensisは、クイーンズランド州のマビ森林で見つかりました。卵のふたには、2〜3本の輪があります。これまでのナナフシでは、見つかっていない特徴です。卵を見るだけで、種類を見分けられるかもしれません。
A. robustaは、海岸近くの森に広く住みます。長い間、別の種類だと思われていました。DNAと体の特徴を合わせて、取り違えが分かりました。
なぜ大事なの?
種類が違えば、住む場所も違うかもしれません。A. mabiensisは、限られた森でしか確認されていません。その森の一部は、農地に変わりました。だから、そこに何が住むかを知ることが大切です。
ケープヨークには、まだ名前のない候補もいます。でも、標本が足りません。今後は、もっと調べて本当に別の種類か確かめます。
えだみたいな虫が、ほんとうは5しゅるいだった
📰 しっかり版: 卵の「ふた」が見つけた、枝そっくりの5種類 豪州ナナフシを再調査
卵と体をよく見ると、そっくりな虫の違いが分かりました。
Anchiale(アンキアレ)
オーストラリアのナナフシの仲間の名前。
DNA(ディーエヌエー)
体の特徴を決める情報。
Anchiale(アンキアレ)は、オーストラリアのナナフシのなかまです。
研究者は、2つの新しい種類を見つけました。 それだけではありません。 前から知られていた虫も、別の種類だと分かりました。 だから、2種類は5種類になりました。
新しい種類の一つは、マビの森にいます。 この虫の卵には、小さなふたがあります。 ふたには、2〜3本の輪があります。 こんな輪は、今まで見つかっていませんでした。
研究者は、虫の体を見ました。 卵も見ました。 DNAも見ました。 DNAは、体の特徴を決める情報です。 すると、そっくりな虫の違いが見えました。
もう一つの新しい種類は、長く知られていました。 でも、名前をまちがえて呼ばれていました。
マビの森は、だいじな森です。 森の一部は、畑になりました。 そこに何が住むかを知ることが大切です。 まだ名前のない候補もいます。 研究者は、もっと標本を集めて調べます。