🐾 生き物

仲間の魚が消えると、群れは危険を知る

約2分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
中脳(ちゅうのう)

目から来た情報の一部を扱う脳の場所。

仮想の魚(かそうのさかな)

画面上で動かした、本物ではない魚。

社会的な手がかり(しゃかいてきなてがかり)

仲間の動きから危険などを判断する合図。

何が起きたか

米国のカリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームは、魚が直接危険を見ていなくても、仲間の動きから危険を推測する脳の仕組みを調べました。研究は科学誌『ネイチャー』に発表されました。対象は、体長約12ミリで体が透明なグラスフィッシュです。

背景:群れは情報を回す

魚の群れや鳥の群れでは、一匹の動きがすぐに周りへ広がります。捕食者が近づいたとき、全員が危険を直接見る必要はありません。危険に近い魚が逃げ、その動きを見た遠くの魚が逃げれば、情報が群れを通過します。ただし、脳が仲間のどの変化を危険の合図として選んでいるのかは、よく分かっていませんでした。

確認できたこと

研究者は、近づいてくる物体を画面に映し、捕食者の攻撃をまねました。群れでいる魚は、一匹の魚より逃げやすく、危険から遠い魚も、危険に近い仲間が逃げるのを見れば散りました。

次に、画面の中で本物そっくりに動く仮想の魚を作りました。仮想の魚が逃げると、実物の魚も画面から離れるように動きました。仮想の魚が突然消えた場合も、魚は群れから退きました。

しかし、魚本来の、急に泳ぎ出して少し滑る動きのときだけ反応しました。生き物らしくない、なめらかな動きには反応しませんでした。つまり、魚はどんな動く物でも怖がるのではなく、同じ種類の仲間らしい動きを社会的な手がかりとして使っていたと考えられます。

さらに、光学顕微鏡で魚の脳にある数千個の神経細胞の活動を測りました。視覚を扱う中脳の神経細胞は、仲間の逃げる動きに強く反応しました。仲間が消えたときにも反応しました。

なぜ重要か

この結果は、魚が危険そのものだけでなく、仲間の行動を情報として使えることを示します。グラスフィッシュがすむ水は濁っていて、遠くまで見えにくい環境です。だから、近くの仲間がいつもの場所から急に消えることが、見えない危険を推測する手がかりになります。

研究チームは、魚・鳥・霊長類にも存在する古い視覚の中脳回路に、仲間の行動を検出する信号があると説明しています。群れの逃避は、仲間同士が見た変化をつなぐことで起きる可能性があります。

まだ分からないこと

今回の実験の中心はグラスフィッシュです。鳥や霊長類にも、同じ神経の仕組みが同じ役割で働くかは、まだ確認されていません。また、画面の仮想の魚ではなく、自然の捕食者が近づく場面でも、消失への反応がどれほど役立つのかは分かりません。仲間の動きの情報が、脳の判断から群れ全体の進路変更へどうつながるのかも、これからの課題です。

次に見る点

今後は、別の魚や鳥などで同じ反応を調べ、自然に近い状況で確かめる研究が重要になります。動物が一匹では得られない情報を、仲間の動きからどう集めるのか。そこを比べると、群れが素早く逃げる仕組みと、動物の脳に共通する設計がさらに見えてきそうです。

資料:研究紹介(Phys.org)

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仲間の魚が消えると、魚は逃げる

📰 しっかり版: 仲間の魚が消えると、群れは危険を知る

魚は、自分で危険を見なくても、仲間の動きから危険を考えられるようです。

約1分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
グラスフィッシュ(ぐらすふぃっしゅ)

体が透明な小さな魚。

仮想の魚(かそうのさかな)

画面に映した、本物ではない魚。

中脳(ちゅうのう)

目から来た情報を扱う脳の場所。

💡 ようするに

  • 魚は、仲間が逃げるのを見ると自分も逃げる。
  • 仲間が急に画面から消えたときも逃げた。
  • 魚の脳は、仲間の動きを危険の合図にしていた。

研究したのは、グラスフィッシュという小さな魚です。 体長は約12ミリで、体がすきとおっています。 魚は、仲間の動きを見ながら群れで泳ぎます。

研究者は、魚の前に画面を置きました。 画面には、仮想の魚という本物ではない魚を映しました。 仮想の魚が逃げると、本物の魚も散りました。 危険から遠い魚も、仲間を見て逃げました。

仮想の魚が急に消えたときも同じでした。 魚は、見えない危険があるように動きました。 ただし、魚らしくない動きには反応しませんでした。 急に泳ぎ出して、少し滑る動きが必要でした。

研究者は、魚の中脳も調べました。 中脳は、目から来た情報を扱う脳の場所です。 そこには、仲間の逃げ方に反応する細胞がありました。 仲間が消えたときにも、その細胞は反応しました。

グラスフィッシュは、濁った水にすんでいます。 遠くが見えにくいので、近くの仲間が大切です。 仲間が急に見えなくなることも、危険の合図になります。

この研究は、魚が危険を直接見なくても、仲間から情報を受け取れると示しました。 ただし、鳥や人にも同じ仕組みがあるかは、まだ分かりません。

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魚のお友だちが消えたら、どうする?

📰 しっかり版: 仲間の魚が消えると、群れは危険を知る

小さな魚は、仲間の動きを見て危険を知りました。

約1分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
グラスフィッシュ(ぐらすふぃっしゅ)

体がすけている小さな魚。

仮想の魚(かそうのさかな)

画面に出てくる、本物ではない魚。

グラスフィッシュ(体がすけた小さな魚)がいました。

仲間といっしょに泳いでいました。

研究者は、画面に仮想の魚(本物ではない魚)を出しました。

仮想の魚が逃げると、本物の魚も逃げました。

仮想の魚が急に消えたときも、魚は逃げました。

魚は、こわいものがいるかもしれないと気づきました。

グラスフィッシュは、にごった水にすんでいます。

遠くが見えにくいので、仲間を見ることが大事です。

仲間がいなくなると、危ないのかもしれません。

魚の脳は、仲間の動きを見ていました。

だから、みんなで早く逃げられました。

鳥や人も同じかは、まだ分かりません。

出典・参考