よろい魚は二つの方法で硬いえものを砕いた 3億8500万年前のあごが示す進化
板皮類(プラコダーム)(ばんぴるい(プラコダーム))
硬い骨の板で体を守った、絶滅したあごのある魚の仲間。
有限要素法(ゆうげんようそほう)
物の形を細かく分け、力をかけたときの変化を計算する方法。
ゴゴ層(ゴゴそう)
オーストラリア北部で、古代の海の化石が見つかる地層。
何が起きたか
恐竜が現れるよりはるか前、約3億8500万年前。現在のオーストラリア北部には、よろいのような体を持つ魚が暮らしていました。フリンダース大学などの研究チームは、ゴゴ層から見つかった板皮類(プラコダーム)8種のあごを調べました。
化石のあごを3Dモデルにし、有限要素法によるかみつきの計算と、歯の表面の複雑さを比べたところ、意外な結果が出ました。小型種と最大級の種は、どちらも硬いものをかむ強いあごを持っていました。しかし、その使い方はまったく違っていたのです。
小さい魚は、丸ごとつぶす
小型種のあごの表面は、幅広く平らでした。計算では、かむ力を受けても変形が小さい構造でした。小さな硬い外皮を持つえものなら、丸ごと口に入れ、平らな面の間で押しつぶせたと考えられます。
この方法なら、鋭い突起で一つずつ穴をあけなくても、えもの全体に力をかけられます。小型の捕食者と小型のえものの組み合わせに合った、効率的な食べ方だったのでしょう。
大きい魚は、先に穴をあける
最大の種には、盛り上がった複雑な歯のような構造と、補強されたあごがありました。力を狭い場所に集め、殻やよろいに穴をあけたあと、口に入りきらないえものを裂いて小さくしたらしいのです。
中間サイズの種には、切るのに向いた歯面もありました。研究者は、柔らかな組織を切ったり、いろいろな種類の食べ物を利用したりした可能性を示しています。
なぜ重要か
硬いものを食べる動物には、強くて幅広いあごが必要だという単純な見方だけでは、この結果を説明できません。重要だったのは、魚の大きさだけではなく、魚とえものの相対的な大きさでした。
小さなえものは丸ごとつぶせます。しかし大きなえものは、まず穴をあけ、分けなければなりません。同じ「硬いえもの」でも、相手の大きさによって必要な道具が変わったのです。異なるあごを持つ魚が、古代の礁で別のえものを使い分ける、すみ分けにもつながった可能性があります。
確認できたこと
研究対象は、ゴゴ層の8種の下あごです。板皮類のあごは、人間のような一枚の骨ではなく、左右の骨板が軟骨に支えられる構造でした。研究チームは、その形を3Dで再現し、かむときの力による変形と、歯面の複雑さを比較しました。
その結果、幅広く平らな面を持つ種は、硬いものを丸ごとつぶすのに向き、大型種の複雑な歯面は、硬い外皮を突き破って大きなえものを分けるのに向くと解釈されました。
まだ分からないことと次に見る点
化石と計算は、実際の食事を録画したものではありません。どの種がどのえものを食べたのか、各方法を自然の中でどれほど使ったのかは、まだ確定していません。今後は、同じ地層から見つかる獲物候補の化石や、さらに多くの魚のあごを比べる必要があります。
この研究は、初期のあごを持つ脊椎動物が、同じ問題に一つの答えだけで対応したのではなく、体の大きさと獲物に合わせて複数の食べ方を進化させたことを示します。
小さなよろい魚と大きなよろい魚、かみ方が違った
📰 しっかり版: よろい魚は二つの方法で硬いえものを砕いた 3億8500万年前のあごが示す進化
約3億8500万年前の魚を調べると、硬いえものを砕く方法は一つではありませんでした。
板皮類(プラコダーム)(ばんぴるい(プラコダーム))
体を硬い板で守った、むかしの魚の仲間。
ゴゴ層(ゴゴそう)
古代の海の化石が見つかる場所。
💡 ようするに
- 約3億8500万年前のよろい魚を8種類調べた。
- 小さい魚は、硬いえものを丸ごとつぶした。
- 大きい魚は、先に殻へ穴をあけて分けた。
何を調べたのか
恐竜より前の海には、板皮類(プラコダーム)という魚がいました。体を守る硬い板を持つ魚です。研究者は、オーストラリア北部のゴゴ層から出た8種類のあごを調べました。化石を3Dにして、かむ力のかかり方をコンピューターで計算しました。
体の大きさで、道具が変わった
小さい種類のあごは、幅広く平らでした。小さな硬いえものなら、口に入れて、そのまま押しつぶせたようです。
大きい種類には、盛り上がった複雑な歯のような部分がありました。力を集めて殻やよろいに穴をあけ、口に入りきらないえものを小さく分けたと考えられます。中間の大きさの種類には、切るのに向いた面もありました。
なぜ違うのか
大切なのは、魚の大きさだけではありません。魚とえものの大きさの組み合わせです。小さいえものは丸ごとつぶせます。しかし大きいえものは、先に割らなければ食べにくい。だから、同じ硬いえものでも、必要なあごが変わりました。
いろいろな食べ方があれば、同じ海で別のえものを使い分けられます。ただし、研究は化石と計算から食べ方を推定したものです。実際に何を食べたかを直接見たわけではありません。えものの種類や、各方法を使った回数は、これからの課題です。
むかしのよろい魚は、二つのかみ方を使った
📰 しっかり版: よろい魚は二つの方法で硬いえものを砕いた 3億8500万年前のあごが示す進化
小さいえものには、つぶすかみ方。大きいえものには、さすかみ方です。
板皮類(プラコダーム)(ばんぴるい(プラコダーム))
むかしの、よろいみたいな体の魚の仲間。
化石(かせき)
むかしの生き物が、石のように残ったもの。
むかし、よろいみたいな体の魚がいました。
名前は板皮類(プラコダーム)です。
調べる人は、石になったあごを見ました。
小さい魚は、広い板でえものをつぶしました。
小さなえものなら、丸ごと食べられます。
大きい魚は、でこぼこの歯で殻に穴をあけました。
それから、えものを小さくしました。
魚の大きさで、よいかみ方が違ったのです。
でも、本当の食事は、まだ全部わかりません。
化石は、むかしの食事を知る手がかりです。