🐾 生き物

マンモスの落とし穴、年代が10万年以上さかのぼる 新測定で16万〜23万年前か

約3分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
放射性炭素年代測定

炭素の変化から、骨などがどれほど古いかを調べる方法。

ルミネッセンス年代測定

鉱物が最後に光を浴びてからの時間を、放射線の蓄積で見積もる方法。

海洋酸素同位体ステージ

地球の気候変化を時代ごとに区切る研究上の区分。

何が起きたか

米国サウスダコタ州ホットスプリングズにあるマンモス・サイト(マンモスの骨が集まる発掘・保存場所)では、巨大な落とし穴に入ったマンモスの骨が調べられています。1974年に住宅工事で牙が見つかって以来、60頭を超える、主に若いオスのコロンビアマンモスが発掘されてきました。

これまで、骨の一部を使った放射性炭素年代測定では、骨を含む地層は約2万3000〜4万2000年前、広くは約2万6000年前と考えられていました。ところが、新しい研究は骨を包む砂を別の方法で測定しました。6試料の多くは約16万〜23万年前を示し、従来より10万年以上古い可能性が出ました。厳密には、マンモス一頭一頭の死亡日を直接測ったのではなく、骨が埋まる地層の年代を測った結果です。Phys.orgの報道とQuaternary Researchの研究論文が、この見直しを伝えています。

落とし穴の正体

この場所は、地下水が岩を少しずつ溶かし、地面が崩れてできたと考えられる、深さ4〜5メートルほどの穴です。温かい水が関わる環境で、壁は急で滑りやすかったため、入り込んだマンモスは出られなかったようです。死んだ個体の骨は、砂や泥の層とともに積み重なりました。

なぜ昔の数字と違ったのか

放射性炭素年代測定は、骨に残る炭素を使います。しかし、この場所の骨には通常よく使うコラーゲンが残っていません。そこで、骨の無機質部分であるアパタイトが使われました。

研究者は、地下水によって古い炭素が溶け、新しい炭素を含む形で再結晶した可能性を示します。これが放射性炭素の信号をリセットし、実際より若い年代を出したのかもしれません。

砂を時計にする

今回のルミネッセンス年代測定は、砂粒が最後に光を浴びた時点を手がかりにします。鉱物は地中で自然放射線を受け、信号をためます。光を当てると、その信号が読み出せるため、埋まってからの時間を見積もれます。

石英では信号が飽和し、正確な年代を出せませんでした。そこで研究者は長石を使った赤外線刺激ルミネッセンスを採用しました。上の層では約16万年前、下の層では約23万年前という結果が得られ、地層の順序にもおおむね合いました。二つの研究所の結果もよく一致しました。

なぜ重要か

新しい年代は、骨を含む地層が、これまで想定された時期より古い気候の中でできたことを示します。研究論文では、堆積は主に海洋酸素同位体ステージ6と、後半の7にあたると整理されました。これは、研究者が地球の気候変化を区切るために使う時代区分です。

北米の大平原北部では、放射性炭素年代測定が使える範囲より古く、年代のしっかりした大型動物の記録は多くありません。マンモス・サイトの年代が固まれば、当時の環境や大型哺乳類の進化を考える基準が変わる可能性があります。これまで標本の体つきを比べる研究にも使われてきたため、年代の見直しは、マンモスの形の変化を読む順番にも影響します。

まだ分からないことと次の一手

新しい結果も、数字が一つに決まったわけではありません。中央付近の試料は約13万1000年前となり、周囲より約4万年若く出ました。砂が埋まる前に十分光を浴びたか、地中の水分がどれほどあったか、ウラン系列の状態などが年代の誤差を生みます。

研究者は、ウラン・トリウム年代測定など別の方法で確かめたいとしています。また、落とし穴の下側のおよそ3分の1は、まだ掘り終えていません。保管場所の問題で発掘は待たれていますが、そこからさらにマンモスや別の絶滅動物が見つかるかもしれません。

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マンモスの落とし穴は、思ったよりずっと古かった

📰 しっかり版: マンモスの落とし穴、年代が10万年以上さかのぼる 新測定で16万〜23万年前か

骨の周りの砂を調べると、約16万〜23万年前の地層らしいと分かりました。

約1分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
長石

砂に含まれ、地中でためた記録から古さを調べる鉱物。

アパタイト

骨のかたい部分を作る成分。

放射性炭素年代測定

炭素の変化から、骨などの古さを調べる方法。

💡 ようするに

  • サウスダコタ州のマンモス・サイトを調べました。
  • 骨の周りの砂は、約16万〜23万年前でした。
  • 昔の「約2万6000年前」より、10万年以上古い結果です。

何を調べたの?

マンモス・サイトは、たくさんのマンモスの骨が見つかる場所です。研究チームは、骨そのものだけでなく、骨を包む砂を調べました。砂の中には、長石という鉱物があります。長石は、地中で自然放射線を受けると信号をためます。光を当てて信号を読むと、砂が埋まってからの時間を計算できます。

今回、石英の信号はたまりすぎて使えませんでした。そこで長石を使い、六つの試料を測りました。真ん中の一つは約13万年前と若く出ました。しかし、ほかの試料は、上の層で約16万年前、下の層で約23万年前を示しました。二つの研究所でも似た結果になりました。

なぜ昔は若く見えたの?

これまでは、骨のアパタイトという成分を使った放射性炭素年代測定が頼りでした。骨にコラーゲンが残っていなかったからです。地下水がアパタイトを溶かし、新しい炭素を入れた可能性があります。その場合、実際より新しい年代が出ます。

なぜ大切なの?

年代が変わると、マンモスがいた環境の見方も変わります。この地層は、これまで考えられた時代より前の気候や、大型動物の変化を調べる手がかりになります。北米のこの地域では、10万年以上前の記録は多くありません。

これから何を見る?

新しい数字も、完全に確定したわけではありません。地下の水分や、砂が光を浴びた時間が結果に影響します。研究者は、ウラン・トリウム年代測定などで確かめたいとしています。落とし穴の下側の約3分の1は、まだ掘られていません。そこから別の化石が見つかるかもしれません。

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マンモスの骨の年が、もっともっと昔になった

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砂を調べたら、マンモスがいた時代が思ったより古いと分かりました。

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マンモス・サイト

マンモスの骨がたくさん見つかる場所。

長石

砂の中にある、古さを調べる手がかりのつぶ。

マンモス・サイト(マンモスの骨を調べる場所)には、たくさんの骨があります。

昔は、約2万6000年前の骨だと思われていました。

でも、科学者は骨のそばの砂を調べました。 砂の中の長石というつぶも調べました。 長石(砂の中のつぶ)は、土の中で記録をためます。 光を当てると、その記録を読めます。

調べると、約16万〜23万年前らしい結果でした。 昔の数字より、10万年以上も古いのです。

骨には、古さを調べる材料が足りませんでした。 地下水が、骨に入るものを変えたかもしれません。 だから、骨が実際より新しく見える答えになったかもしれません。

まだ、全部は決まっていません。 真ん中の砂は、もっと若い数字を出しました。 科学者は、別の調べ方でも確かめます。 穴の下側の約3分の1は、まだ土の中です。

出典・参考