債券だけでは足りない? 金利上昇で投資家が探す「収入」の道
債券(さいけん)
国や企業などにお金を貸し、利息を受け取る金融商品。
カタストロフィー債(カタストロフィーさい)
自然災害のリスクを投資家が引き受ける債券。
合併裁定(がっぺいさいてい)
会社の合併発表後に生じる価格差を利用する運用方法。
金利が上がり続け、債券の値動きが荒くなっている。そんな環境で、投資家や資産運用会社が、債券以外の「定期的な収入」に目を向けている。CNBCの9月10日報道は、保険に結びついた証券、配当株、不動産投資信託、合併裁定、資産担保融資などを候補として紹介した。CNBCの報道
何が起きているか
債券は、国や企業などにお金を貸し、利息を受け取る金融商品だ。今回の記事の焦点は、単に高い利回りを探すことではない。インフレ、地政学的な不安、金利上昇によって、伝統的な債券を持ち続ける不確かさが増したため、収入の入り口を分散させる動きが出ている。
債券の中で変える方法
専門家の一部は、分散投資の中で債券を残すべきだとしつつ、価格が金利に反応しにくい短期商品へ配分を寄せている。超短期債など、満期までの期間が短い商品を使う考え方だ。また、保険リンク証券、とくに自然災害のリスクを投資家が引き受ける「カタストロフィー債」も挙げられる。保険会社などが災害リスクを市場に移し、投資家はその対価として収益を得る仕組みだ。ただし大災害が多い年は、保険金の支払いで損失が出る可能性がある。
株や別の運用に広げる方法
配当株、REIT、優先株、MLP、カバードコールETFなどは、配当や分配金を収入にする選択肢だ。合併裁定は、買収発表後の株価と、取引成立時に見込まれる価格の差を狙う。金利との連動を弱められる場合がある一方、合併が壊れると損失が大きくなりうる。
資産担保融資では、鉄道車両やガス井など、価値のある物を担保にした貸し付けが例として紹介されている。期間は通常の投資適格債券より短く、1〜3年ほどの案件で、税を繰り延べた利回りが6〜10%になる場合もあるという。
高い収入には代金がある
ここで重要なのは、これらが債券の完全な代用品ではないことだ。高い収入を求めるほど、株価の下落、金利への弱さ、災害損失、担保の値下がり、売りにくさといった別のリスクを抱えやすい。REITや優先株は金利に敏感で、配当株も株式市場の変動を受ける。債券の利回りが上がれば、危険度の高い商品を選ぶ理由は、利回りだけでは小さくなる。
確認できたことと、まだ分からないこと
報道から確認できるのは、複数の運用担当者が、短期債や非債券資産を組み合わせる考え方を示していることだ。記事には、MLPのETFの利回り6.82%、優先株ETFの利回り6.52%など、特定日の数字も出てくる。しかし、それは将来の利益を約束する数字ではない。個々の商品をどれだけ組み入れるべきか、読者の資産状況に何が合うか、今回の報道だけでは判断できない。
次に見る点
今後は、米国のインフレと金利が落ち着くか、債券価格が戻るか、代替商品が高い収入を保てるかが焦点になる。収入の源を増やすことは、リスクを消すことではない。どの収入が、どの危険と引き換えなのかを比べる視点が必要だ。
債券以外からも収入を得る? 金利上昇で広がる投資の選択肢
📰 しっかり版: 債券だけでは足りない? 金利上昇で投資家が探す「収入」の道
金利が上がり、債券の値動きが大きくなっています。投資家は別の収入源も探しています。
債券(さいけん)
国や企業などにお金を貸したしるし。
利回り(りまわり)
投資したお金に対して、どれだけ収入が出るかの割合。
REIT(リート)
不動産から得た収入などを分ける商品。
💡 ようするに
- 金利が上がり、債券が不安定になっています。
- 投資家は株や不動産にも目を向けています。
- 収入が多い商品ほど、別の危険も増えます。
なぜ債券から広げるのか
債券は、お金を貸したしるしです。貸した人は、利息を受け取ります。いまは金利が上がり、債券の値動きが大きくなっています。インフレや世界の争いへの心配もあります。
そこで一部の投資家は、債券をすべて手放すのではなく、期限の短い債券を選んでいます。別の人たちは、債券ではない商品も組み合わせています。収入を一つの場所に頼らないためです。CNBCの記事が紹介しました。
どんな商品があるのか
自然災害のリスクを引き受ける債券があります。大きな災害が少ない年は収入を得られます。災害が多い年は損をすることがあります。
会社の利益を分ける配当株もあります。REITは、不動産から得た収入などを分ける商品です。優先株やエネルギー関係の合資会社も候補です。
合併裁定という方法もあります。会社の買収が発表された後、取引が終わるまでの価格差をねらいます。取引が失敗すると、大きな損失が出ることがあります。
鉄道車両やガス井を担保にした貸し付けも紹介されています。期間は1〜3年ほどです。利回りが6〜10%になる場合もあります。ただし、すぐに売れないことがあります。担保の価値が下がることもあります。
覚えておきたいこと
高い利回りは、無料でもらえるお金ではありません。株価が下がる危険があります。災害や取引失敗の危険もあります。お金を動かしにくい商品もあります。
記事には、特定日の数字もあります。あるMLPのETFは9月4日に6.82%でした。ある優先株ETFは7月31日に6.52%でした。どちらも、その時点の数字です。将来も同じとは限りません。
次は、インフレ、金利、債券の値動きが注目されます。大切なのは、いくら入るかだけではありません。どんな危険と引き換えなのかも見ることです。
お金の入り口を、ひとつにしない
📰 しっかり版: 債券だけでは足りない? 金利上昇で投資家が探す「収入」の道
お金を貸す道がゆれて、別の道を探しています。
債券(さいけん)
お金を貸したしるし。
利息(りそく)
貸したお金に少し足されて戻る分。
金利(きんり)
利息の大きさを決める数字。
何が起きたの?
債券は、お金を貸したしるしです。 貸した人は、あとで少し多く返してもらいます。 その多い分を、利息といいます。
いま、金利が上がっています。 債券の値段が、ゆれています。 だから、別の収入を探す人がいます。
CNBC(ニュース会社)の記事が紹介しました。 記事を読む
どんな道があるの?
会社のもうけを分けてもらう道があります。 家から出るお金を分けてもらう道もあります。 大きな災害の心配を引き受ける道もあります。
物を預かって、お金を貸す道もあります。 会社の合併を待つ道もあります。
でも、気をつけて
収入が多い道には、心配もあります。 株の値段が下がることがあります。 大きな災害で損をすることもあります。 貸したお金を、すぐ戻せないこともあります。
新しい道は、魔法のお金ではありません。 心配の場所が、変わるだけかもしれません。