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未発表の数学をAIに話して大丈夫? OpenAI(ChatGPTを作るAI企業)に問われた「考えの出どころ」

約3分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
未発表研究(みはっぴょうけんきゅう)

まだ論文などで公開されていない研究。

学習データ(がくしゅうデータ)

AIを改善するために使われる情報の集まり。

Lean(リーン)

数学の証明をコンピューターで確かめるための仕組み。

何が起きたか

OpenAI(ChatGPTを作るAI企業)が数学の成果を発表した後、数学者Andreas Thomが、未発表研究をAIに相談することの信頼性を問いかけた。Mastodonへの投稿で、Thomは、自分と同僚がGábor Kunとの研究の延長をChatGPTで話していたと説明している。その会話が学習データに入ったのか、AIが成果を考えるときに使ったのかを、OpenAIの研究者に尋ねたという。投稿はHacker Newsにも掲載され、275 points、399 commentsを集めた。ただし、これはコミュニティの注目度であり、Thomの疑いの正しさを示す数字ではない。

背景:OpenAIが発表した数学の成果

OpenAIは8月1日、内部版Astraが長年の未解決問題について10件の成果を出したと発表した。その中に、non-sofic groupsの存在に関する結果がある。これは、ざっくり言えば、有限のものではうまく近づけにくい無限の数学的な集まりをめぐる問題だ。OpenAIの説明では、AIが議論を生み、人間が原稿を整え、その後、Leanというコンピューターで証明を確かめる仕組みに各議論を形式化した。つまり争点は、答えが正しいかだけでなく、どの考えがどこから来たかにも及ぶ。

なぜ重要か

「AIがチャットをそのまま読んだか」と「会話の情報がモデル改善に影響したか」は、同じ質問ではない。OpenAIのNavier–Stokes発表は、外部研究者の仕事を公開前に見ていない、特定の利用者データを解決に使っていないと説明する一方、利用から得た名前を消したデータがモデル改善に役立った可能性は否定できないとしている。直接の読み取りを否定しても、間接的な影響まで説明したことにはならない。研究者にとって、未発表のアイデアは発表前の功績や競争上の位置に関わる。誰の発想が成果に寄与したのかを確かめられなければ、AIを研究相手として使う判断も難しくなる。

確認できたこと

確認できるのは、OpenAIが10件の数学成果を公表したこと、Thomが自分のChatGPTでの相談とOpenAIへの問い合わせを公に語ったこと、OpenAIがNavier–Stokesの説明で直接アクセスとモデル改善を分ける書き方をしたことだ。また、Hacker News上でこの問題が話題になったことも事実だ。反応数から内容の正しさや、コメント参加者の意見を読み取ることはできない。

まだ分からないこと

Thomの会話が実際に学習データに入ったのか、結果を作る段階で参照されたのか、同じ考えが公開済みの数学から独立に得られたのかは、公開情報だけでは決着していない。OpenAIの発表は「特定の利用者データを解決に使っていない」とするが、モデル改善への間接的な寄与を完全に否定する資料ではない。現段階で「研究の無断利用が確認された」と断定するのも、「影響は絶対にない」と断定するのも早い。

次に見る点

今後の焦点は、OpenAIが学習に使ったデータの範囲や記録をどこまで説明するか、Thomの問いにどう答えるか、そして数学者が成果の内容と貢献者の表記をどう検証するかだ。AIが未発表研究を扱うなら、直接コピーがないかだけでなく、同意、履歴、功績を追える仕組みが必要になる。この投稿が突きつけたのは、AIの数学力そのものより、発見の出どころを誰が説明するのかという問題である。

出典: Andreas Thomの投稿、OpenAIの8月発表、OpenAIのNavier–Stokes発表、Hacker Newsの掲載

💬 未公開数学をAIは独自に発見したのか

HNの議論の中心は、AIが数学を解いたかだけでなく、未公開の研究情報が学習や推論に使われた可能性、功績の帰属、研究者がクラウドAIを信頼できるかという問題だ。証拠は弱いという反論と、透明性が足りないという懸念が並んでいる。

  • 提示された根拠は弱いという批判がある。分かるのは、誰かがその題材をAIと話し、その問題に取り組んでいたらしいことまでで、完成した証明を持っていたことや、モデルが証明を正確に再現したことの証拠ではない。
  • ある投稿者の自己申告では、数学者はこの問題に約20年間取り組んでいた。AIが最後の難所を越えたなら有用な能力の証拠だという見方がある一方、人間が作った方針の仕上げと、AIが最初から独立に新しい着想を出したことは別だという指摘もある。
  • 肯定側は、研究は既存知識の統合であり、人間も質問や助言で前進するので、AIが大量の情報をつないで仕上げても有用な協働だと見る。反対側は、EinsteinとGrossmannのような人間の共同研究なら貢献を特定し、著者や謝辞として認め、責任も負わせられるため、私的なpromptと人間のmentorshipを同一視できないと反論する。
  • 数学が非常に専門的なら、未出版の手法を知る人は少ない。もし私的なチャットや研究相談がtraining dataに入り、モデルがそこから手法を選んだなら、単なる合成ではなくscoopingや知的成果のappropriationの問題になり得る。一方、出典が示されている、借用した具体的な方法が特定されていないとして、盗用の断定は早いという意見もある。
  • プライバシーについて、ある投稿者の自己申告では、数学者は6月29日に学習利用をオプトアウトし、OpenAIに尋ねたところ会話は学習に使われていないと説明された。他の投稿者は、データがそのまま事前学習に入らなくても派生データや変換を通じて使われ得ると疑い、一般向けのconsumer termsと企業向けのbusiness termsの扱いの差を問題にした。
  • AIとの協働で難問の最後の工程が速くなること自体は大きな実用価値だという声もある。しかし、ほぼ完成した人間の研究をAIの独立した突破として広報すれば、功績、信頼、未公開研究をクラウドに預ける意欲、将来の数学者の人材パイプラインを損なうという懸念がある。
  • 結論として求められているのは、モデルが何を独立に生成したか、どの会話や公開資料が影響したか、どの人間がどの段階を担ったかの検証可能な開示だ。HNのコメントだけでは、盗用も完全な独立発見も確定できない。

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未発表の数学をAIに話しても大丈夫? OpenAI(ChatGPTを作るAI会社)への質問

📰 しっかり版: 未発表の数学をAIに話して大丈夫? OpenAI(ChatGPTを作るAI企業)に問われた「考えの出どころ」

数学者Andreas Thomが、OpenAIに研究の扱いをたずねました。

約2分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
未発表研究(みはっぴょうけんきゅう)

まだ、みんなに見せていない研究。

学習データ(がくしゅうデータ)

AIが学ぶために使う情報。

Lean(リーン)

数学の証明をコンピューターで確かめる仕組み。

💡 ようするに

  • 数学者Andreas ThomがOpenAIに質問しました。
  • ChatGPTで話した未発表研究が、AIに使われたかです。
  • Hacker News(技術ニュースのサイト)で275 points、399 comments。人気は真実の証明ではありません。

OpenAIは8月、10個の数学成果を発表しました。 一つは、non-sofic groupsという問題です。 これは、無限の集まりを調べる数学です。 OpenAIは、AstraというAIが答えを見つけたと説明しました。 人間が文章を整えました。 その後、Leanで証明を確認しました。

Andreas Thomは、数学を調べる研究者です。 彼は同僚と、まだ公開していない考えを持っていました。 その考えをChatGPTで相談していたそうです。 ThomはOpenAIに二つのことを聞きました。 会話が学習データに入ったのか。 AIが答えを作るときに使ったのかです。

ここで二つを分ける必要があります。 AIが会話をそのまま読むことがあります。 会話の情報がAIの改善に役立つこともあります。 この二つは同じではありません。

OpenAIは別の発表で説明しました。 特定の利用者データを解決に使っていないそうです。 一方で、名前を消した情報がAIの改善に役立った可能性は否定できないとしました。

まだ、Thomの会話が使われたかは分かりません。 だから、無断利用が確認されたとは言えません。 影響が絶対になかったとも言えません。 これから、OpenAIの追加説明に注目します。

出典: Thomの投稿、OpenAIの数学発表、OpenAIのNavier–Stokes発表、Hacker News

💬 AIが数学を解いたとき、誰の発見?

コメントでは、AIの能力よりも、未公開のアイデアをどう扱ったかと、誰に功績を与えるかが大きな争点になっている。

  • 根拠は弱いという意見がある。AIと話した人がその問題を研究していたことは示せても、AIが完成した証明を一人で見つけた証拠にはならない。ある投稿者の自己申告では、その数学者は約20年この問題に取り組んでいた。
  • AIは、人間が作ったアイデアや大量の情報をつないで最後を手伝っただけでも役立つ、という見方がある。反対に、人間の共同研究なら貢献者を名前で認められるので、AIへのpromptを人間の助言やmentorshipと同じにするのは違うという意見もある。
  • 専門的な数学の手法が私的な会話からtraining dataに入り、AIがそれを使ったなら、研究を先取りされた問題になり得る。ただし、具体的な借用方法が示されていない、同じ発見が独立に起きた可能性もあるとして、断定を避ける人もいる。
  • ある投稿者の自己申告では、6月29日に学習利用を止めた後、OpenAIから会話は学習に使われていないと説明された。一方、コメントでは、一般向け規約と企業向け規約でデータ利用の約束が違うことや、データが別の形で使われる可能性が指摘された。
  • AIが研究を速めるのは便利だが、人間の貢献を隠してAIだけの発見に見せると、研究者の信頼や数学を学ぶ人の将来を傷つける。どのデータと人間の作業が結果に影響したかを公開すべきだ、というのが主な要求だ。

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数学者Andreas Thomが聞く「AIは考えをどこで知ったの?」――OpenAI(ChatGPTの会社)

📰 しっかり版: 未発表の数学をAIに話して大丈夫? OpenAI(ChatGPTを作るAI企業)に問われた「考えの出どころ」

Andreas Thomは、数学を調べる人です。OpenAIはAIを作る会社です。

約1分で読めます Tiny Why編集部 · 文: 特派員 キュリオ

ことば
OpenAI(オープンエーアイ)

ChatGPTを作る会社。

ChatGPT(チャットジーピーティー)

話しかけると答えるAI。

Hacker News(ハッカー・ニュース)

AIや技術の話が集まる場所。

OpenAIは数学の答えを十個発表しました。 その中に、とてもむずかしい答えがありました。 Andreas Thomは、まだ見せていない考えを持っていました。 Thomは、その考えをChatGPTで話していました。 ChatGPTは、OpenAIの話すAIです。 Thomは、AIがその考えを使ったか聞きました。 OpenAIは、その研究を直接見ていないと説明しました。 でも、名前を消した情報がAIをよくしたかもしれない、とも書きました。 まだ、本当に使われたかは分かりません。 「だれの考えかな?」が大事な質問です。 この話はHacker Newsで話題になりました。 275 pointsと399 commentsがつきました。 これは、たくさんの人が見た数字です。 本当だと決める数字ではありません。 これから、OpenAIがもっと話すか見守ります。

出典: Thomの投稿、OpenAIの発表、Hacker News

💬 AIはひとりで答えを見つけたの?

みんなが知りたいのは、AIが自分で発見したのか、人のアイデアを使って最後を手伝ったのかだ。

  • 今ある話だけでは、AIがひとりで証明を見つけたとは言えない。人がその問題をAIに話し、長く研究していたという話があるだけだ。ある投稿者の自己申告では、その研究者は約20年取り組んでいた。
  • AIが人のアイデアをつないで最後を手伝うのは役立つかもしれない。でも、人が助けたなら、その人の名前や仕事をきちんと認める必要がある。AIへのpromptと人間の先生や仲間の助言は、同じとは限らない。
  • ある投稿者の自己申告では、6月29日に学習利用を止めたのに、会話が使われていないという説明をめぐって不信感が残った。一般の人向けと会社向けで約束が違うという指摘もあり、専門家の秘密をAIに話すのは心配だ。
  • AIが数学を速くするのはよいことだ。でも、誰のアイデアが使われたかを隠すと、研究者が困る。AIが何を使い、人が何をしたかを見せてほしい。

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出典・参考